OSS(オープンソースソフトウェア)の特性を理解することは、サイト制作や運用に関わる多くの専門家にとって不可欠である。特に、CMS(コンテンツマネジメントシステム)として広く使用されるOSSに焦点を当てて解説を進める。

筆者は、サイト制作・運用において多種多様なソフトウェアを採用してきた。OSSとしてはWordPress、CS-Cart、EC-CUBEをはじめ、ライセンス料が必要な商用ソフトウェアも活用している。以下では、OSSの採用に際して感じたメリットとデメリットを明示する。

メリット

  1. ソースコードの無料利用: OSSは基本的に無料で使用できるが、各OSSにはそれぞれライセンスが存在する。これに従い、ソースコードをインストールし、初期設定を済ませることで使用が可能である。したがって、初期費用や月額費用は基本的に発生しない。
  2. 高いカスタマイズ性: OSSはカスタマイズが容易である。ただし、その反面で高度なプログラミングスキルが必要とされる場面も多い。これは一種のデメリットとも見ることができる。
  3. 豊富なアドオンとプラグイン: OSSは多くの開発者が関わるため、多種多様な拡張機能が提供されている。これらを活用することで、柔軟な機能拡張が可能である。ただし、品質にはばらつきがあるため、選定には注意が必要だ。
  4. 情報量の豊富さ: 人気のあるOSSは情報が豊富である。しかし、その情報量が多すぎる場合、信頼性の判断が難しくなることもある。
  5. プロダクトの持続性: OSSは多くの場合、コミュニティによって支えられている。このため、特定の企業が倒産したとしても、プロジェクト自体が消滅する可能性は低い。ただし、小規模なプロジェクトについてはその限りではない。

デメリット

  1. サポートの制限: 商用ソフトウェアと異なり、OSSは基本的には公式のサポートが限られている。ただし、有料のサポートや商用版が提供されているケースも存在する。
  2. 人材依存の高さ: OSSのカスタマイズや運用には特定のスキルセットが必要である。そのため、人材の確保と育成が欠かせない。
  3. セキュリティの自己責任: OSSはセキュリティ面でも非常に高いスキルが求められる。最新の脆弱性情報を常にチェックし、対策を自ら施す必要がある。

結論

OSSの採用は、扱える人材に依存する側面が強い。適切な運用が可能であれば、多くのメリットを享受できると筆者は考える。それでも、セキュリティリスクや人材育成については、持続的な注意と努力が必要である。

カテゴリー: 開発・運用